また、産経新聞のとんちんかんなマッチポンプ記事です。
「民間が慰安婦集め」 米軍調査「日本軍は利益得ず」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/51406/
(産経 05/12 06:12 )
【ワシントン=古森義久】戦時の日本軍の慰安婦に関して、日本側の民間業者が慰安婦候補とした女性家族にまず現金を支払って彼女らを取得していたことを示す米陸軍の調査報告書があることがわかった。報告書は、この業者が朝鮮で商業利益を目的に慰安婦の徴募に直接あたっていたことを示し、現在の米側の一部の「日本軍が女性を組織的に強制徴用していた」という主張とは異なる当時の実態を明らかにしている。
報告書は米国陸軍の戦争情報局心理戦争班により第二次大戦中の1944年9月に作成された。「前線地区での日本軍売春宿」と題され、同年8月にビルマ(現ミャンマー)北部のウェインマウ付近で米軍に拘束された日本人の慰安所経営者(当時41歳)の尋問結果が主に記録されている。
この経営者は、日本人の妻(同38歳)と朝鮮女性の慰安婦20人とともに米軍に捕まった。この慰安婦の尋問結果をまとめた報告書は別に存在し、日米両国の研究者などの間で参照されてきたが、経営者だけについての報告書は公開の場で論じられることが少なかった。
報告書によると、経営者は朝鮮のソウルで妻とともに食堂を開き、ある程度の利益を得ていたが、景気が悪くなり、新たに収入を得る機会の追求としてソウルの日本軍司令部に慰安婦を朝鮮からビルマに連れていくことの許可を求めた。この種の提案は朝鮮在住のほかの日本人ビジネスマンたちにも軍から伝えられていたという。
同経営者の慰安婦集めについては「彼は22人の朝鮮女性に対し個々の性格、外見、年齢による区分で1人あたり300円から1000円の金をまずその家族たちに支払い、取得した。22人の女性は年齢19歳から31歳までで、経営者の占有する資産となった。日本軍は(この取得から)利益は得ていない。ソウルの日本軍司令部は同経営者に対し(ビルマまでの)ほかの日本軍各司令部あてに輸送、配給、医療手当などの必要な援助を与えることを認めた書簡を与えた」と記している。
このように報告書では、この慰安婦採用の過程については日本軍が「許可」あるいは「提案」したとされ、経営者の女性集めはすべての個々人に現金をまず渡していることが明記され、「日本軍が女性たちを組織的に強制徴用して性的奴隷化した」というような米国議会の決議案の解釈や表現とはまったく異なる事情を伝えている。
報告書によると、この日本人経営者は妻や22人の朝鮮女性とともに1942年7月10日に釜山を船でたち、台湾、シンガポール経由で同8月20日にビルマの首都ラングーン(現ヤンゴン)に到着した。女性たちはその後、北部のミッチナ(当時の日本側の呼称はミイトキーナ)地区の日本軍歩兵114連隊用の慰安所に送られたという。(以上)
※ビルマのミッチナ=ミイトキーナ
さすがに、この記事には呆れ果てて、取り上げるのどうしようかと思ったんですが。
この記事にTBしているizaブログの事実誤認には、目に余るものがあり、あるトンデモ系ブログでは「米国議会調査で強制連行の濡れ衣が晴れました」などと、勝手に勝利宣言までしてる方までいました。
頭大丈夫かよ。。。
そもそも、古森氏の紹介した資料ですが、これ新資料でもなんでもなく、日本政府が1992年7月6日、93年8月4日に、それぞれ発表している調査結果で、今までも、小林よしりん、つくる会、産経、正論などが、都合のいい部分だけ抜き出し「金をもらっていたのだから強制ではなく、売春婦だ」と宣伝するのに、さんざん使ってきた米軍資料なんですが。
この人達って、いつもは東京裁判などでの米軍資料の信頼性を批判してませんでしたっけ?
<参考サイト>
ミッチナの慰安所 -- 傲慢漫画家の貧困な想像力
http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/hatsugen/ianfu-mitchina.htm
ミッチナの慰安所業者と「慰安婦」を米軍が取り調べた報告書は、「慰安婦」の待遇が良かった証拠と称して「自由主義史観」派が好んで持ち出す文書です。ここでは小林よしのりの『新ゴーマニズム宣言』をサンプルとして取り上げますが、彼らがいかに資料中の都合のいい部分だけを取り出して利用しているかがよく分かると思います。ミッチナの慰安所は恐らく数多い慰安所の中でも最も「まし」な部類に属していたでしょうが、同じ報告書を正確に分析するだけで、このミッチナの場合でさえ重大な戦争犯罪/人権蹂躙が行われていたことが判明してます。
アジア女性基金-歴史の教訓とする事業
http://www.awf.or.jp/program/index.html
『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』刊行
の第5巻(5.18M)でダウンロードできるPDFファイルに載っています。日本語簡訳はp.113-115、英文はp.177-179です(どちらもAcrobat Readerのページ表示)。最初から最後まで日本政府がまるまる関与、監督してます。
ちなみに、下の写真は同じビルマ戦線のミッチナより更に最前線のラーモ(松山)で保護された慰安婦達である。

弾雨の中を逃げ惑う中でも、日本軍兵士への慰安行為を強いられ、軍人同様に玉砕の身とされようとした、まさに強制された「従軍」慰安婦達であり、古森氏の「まし」な部類の報告例とはあきらかに違うことがわかる。
<この記事を取り上げているブログ>
碧猫さんが「未成年を含む女性をだまして連れてこさせるのを、軍が許可あるいは提案している」と、ツッコミ入れてます。
「13日の水曜日」もしかして本当にまだ解ってないのか?
http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-138.html
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「民間が慰安婦集め」 米軍調査「日本軍は利益得ず」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/51406/
(産経 05/12 06:12 )
【ワシントン=古森義久】戦時の日本軍の慰安婦に関して、日本側の民間業者が慰安婦候補とした女性家族にまず現金を支払って彼女らを取得していたことを示す米陸軍の調査報告書があることがわかった。報告書は、この業者が朝鮮で商業利益を目的に慰安婦の徴募に直接あたっていたことを示し、現在の米側の一部の「日本軍が女性を組織的に強制徴用していた」という主張とは異なる当時の実態を明らかにしている。
報告書は米国陸軍の戦争情報局心理戦争班により第二次大戦中の1944年9月に作成された。「前線地区での日本軍売春宿」と題され、同年8月にビルマ(現ミャンマー)北部のウェインマウ付近で米軍に拘束された日本人の慰安所経営者(当時41歳)の尋問結果が主に記録されている。
この経営者は、日本人の妻(同38歳)と朝鮮女性の慰安婦20人とともに米軍に捕まった。この慰安婦の尋問結果をまとめた報告書は別に存在し、日米両国の研究者などの間で参照されてきたが、経営者だけについての報告書は公開の場で論じられることが少なかった。
報告書によると、経営者は朝鮮のソウルで妻とともに食堂を開き、ある程度の利益を得ていたが、景気が悪くなり、新たに収入を得る機会の追求としてソウルの日本軍司令部に慰安婦を朝鮮からビルマに連れていくことの許可を求めた。この種の提案は朝鮮在住のほかの日本人ビジネスマンたちにも軍から伝えられていたという。
同経営者の慰安婦集めについては「彼は22人の朝鮮女性に対し個々の性格、外見、年齢による区分で1人あたり300円から1000円の金をまずその家族たちに支払い、取得した。22人の女性は年齢19歳から31歳までで、経営者の占有する資産となった。日本軍は(この取得から)利益は得ていない。ソウルの日本軍司令部は同経営者に対し(ビルマまでの)ほかの日本軍各司令部あてに輸送、配給、医療手当などの必要な援助を与えることを認めた書簡を与えた」と記している。
このように報告書では、この慰安婦採用の過程については日本軍が「許可」あるいは「提案」したとされ、経営者の女性集めはすべての個々人に現金をまず渡していることが明記され、「日本軍が女性たちを組織的に強制徴用して性的奴隷化した」というような米国議会の決議案の解釈や表現とはまったく異なる事情を伝えている。
報告書によると、この日本人経営者は妻や22人の朝鮮女性とともに1942年7月10日に釜山を船でたち、台湾、シンガポール経由で同8月20日にビルマの首都ラングーン(現ヤンゴン)に到着した。女性たちはその後、北部のミッチナ(当時の日本側の呼称はミイトキーナ)地区の日本軍歩兵114連隊用の慰安所に送られたという。(以上)
※ビルマのミッチナ=ミイトキーナ
さすがに、この記事には呆れ果てて、取り上げるのどうしようかと思ったんですが。
この記事にTBしているizaブログの事実誤認には、目に余るものがあり、あるトンデモ系ブログでは「米国議会調査で強制連行の濡れ衣が晴れました」などと、勝手に勝利宣言までしてる方までいました。
頭大丈夫かよ。。。
そもそも、古森氏の紹介した資料ですが、これ新資料でもなんでもなく、日本政府が1992年7月6日、93年8月4日に、それぞれ発表している調査結果で、今までも、小林よしりん、つくる会、産経、正論などが、都合のいい部分だけ抜き出し「金をもらっていたのだから強制ではなく、売春婦だ」と宣伝するのに、さんざん使ってきた米軍資料なんですが。
この人達って、いつもは東京裁判などでの米軍資料の信頼性を批判してませんでしたっけ?
<参考サイト>
ミッチナの慰安所 -- 傲慢漫画家の貧困な想像力
http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/hatsugen/ianfu-mitchina.htm
ミッチナの慰安所業者と「慰安婦」を米軍が取り調べた報告書は、「慰安婦」の待遇が良かった証拠と称して「自由主義史観」派が好んで持ち出す文書です。ここでは小林よしのりの『新ゴーマニズム宣言』をサンプルとして取り上げますが、彼らがいかに資料中の都合のいい部分だけを取り出して利用しているかがよく分かると思います。ミッチナの慰安所は恐らく数多い慰安所の中でも最も「まし」な部類に属していたでしょうが、同じ報告書を正確に分析するだけで、このミッチナの場合でさえ重大な戦争犯罪/人権蹂躙が行われていたことが判明してます。
アジア女性基金-歴史の教訓とする事業
http://www.awf.or.jp/program/index.html
『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』刊行
の第5巻(5.18M)でダウンロードできるPDFファイルに載っています。日本語簡訳はp.113-115、英文はp.177-179です(どちらもAcrobat Readerのページ表示)。最初から最後まで日本政府がまるまる関与、監督してます。
ちなみに、下の写真は同じビルマ戦線のミッチナより更に最前線のラーモ(松山)で保護された慰安婦達である。

弾雨の中を逃げ惑う中でも、日本軍兵士への慰安行為を強いられ、軍人同様に玉砕の身とされようとした、まさに強制された「従軍」慰安婦達であり、古森氏の「まし」な部類の報告例とはあきらかに違うことがわかる。
<この記事を取り上げているブログ>
碧猫さんが「未成年を含む女性をだまして連れてこさせるのを、軍が許可あるいは提案している」と、ツッコミ入れてます。
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- 連合軍通訳翻訳部(ATIS)調査報告第120号(1945年11月15日) (2007/05/21)
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- [慰安婦問題]産経・古森氏が、また歪曲報道 (2007/05/06)
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Comment

産経新聞としてコモリンをどう思っているのやら?
5月5日の記事に対して捏造疑惑が問いただされているのに、産経新聞の編集部が誰一人としてコモリン&従軍慰安婦というキーワードに反応しなかったのですかね?
編集部として誰一人知らなかったのであれば”組織”としての能力を疑いますし。
捏造疑惑を知っているのであれば有識者のチェックを受けなくても平気だと考えた理由を知りたいです。
編集部として誰一人知らなかったのであれば”組織”としての能力を疑いますし。
捏造疑惑を知っているのであれば有識者のチェックを受けなくても平気だと考えた理由を知りたいです。
名無しさん | URL | 2007/05/14/Mon 23:35 [EDIT]
もしかして本当にまだ解ってないのか?
あはは、本当に・・
自分でばらしてどうする?と思いましたね^^
日本軍がしっかり関係してる。と、自分が言ってるのを気づかない><
情け無いことこの上ないよw
小森って記者、安倍とともに消えてもらわなければ日本人は世界の物笑いだ!
自分でばらしてどうする?と思いましたね^^
日本軍がしっかり関係してる。と、自分が言ってるのを気づかない><
情け無いことこの上ないよw
小森って記者、安倍とともに消えてもらわなければ日本人は世界の物笑いだ!
名無しさんへ
サンケイに電話して、間違いを訂正し、報道の使命をきちんと果たすことをお願いしたんですが、注目をあつるためなら誤報もかまわないという報道姿勢を感じました。
>編集部として誰一人知らなかったのであれば”組織”としての能力を疑いますし。捏造疑惑を知っているのであれば有識者のチェックを受けなくても平気だと考えた理由を知りたいです。
問い詰めてみます。
ニケさんへ
>日本軍がしっかり関係してる。と、自分が言ってるのを気づかない><
古森氏は、リテラシーの低い人達をミスリードすることで、頭がいっぱいなんだと思いますよw
古森氏や安倍氏を観察してると、日本の名誉を傷つけるとはこいうことなんだぁ、と、再確認させられます。
サンケイに電話して、間違いを訂正し、報道の使命をきちんと果たすことをお願いしたんですが、注目をあつるためなら誤報もかまわないという報道姿勢を感じました。
>編集部として誰一人知らなかったのであれば”組織”としての能力を疑いますし。捏造疑惑を知っているのであれば有識者のチェックを受けなくても平気だと考えた理由を知りたいです。
問い詰めてみます。
ニケさんへ
>日本軍がしっかり関係してる。と、自分が言ってるのを気づかない><
古森氏は、リテラシーの低い人達をミスリードすることで、頭がいっぱいなんだと思いますよw
古森氏や安倍氏を観察してると、日本の名誉を傷つけるとはこいうことなんだぁ、と、再確認させられます。
この記事も印象操作多すぎ
やっしゃんさんへ
ありがとうございます。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
どんどん産経を追い詰めちゃってください。
この記事でも、
>「日本軍が女性たちを組織的に強制徴用して性的奴隷化した」
>というような米国議会の決議案の解釈や表現・・・
ってところに古森さんのアブナさを感じます。
1)そのような表現を、マイクホンダの下院決議案は使っていない。
・「組織的に」=systematically なんちゅう単語はどこにもない。
・解釈ってのは誰の解釈?その論拠が説明されてない。
少なくとも括弧でくくって、下院決議案にそう書いてあるかの如く報道
するのはジャーナリストの姿勢としては大いに問題ありです。
2)「強制徴用」の意味がわからない。coercion だと「強制」にしかなりません。
最近、「強制連行」という言葉にかえて「強制徴用」という言葉を使い
はじめてるのは、用語による一種のすり替えを行おうとしてるんでしょうか?
ありがとうございます。少しでもお役に立てたら嬉しいです。
どんどん産経を追い詰めちゃってください。
この記事でも、
>「日本軍が女性たちを組織的に強制徴用して性的奴隷化した」
>というような米国議会の決議案の解釈や表現・・・
ってところに古森さんのアブナさを感じます。
1)そのような表現を、マイクホンダの下院決議案は使っていない。
・「組織的に」=systematically なんちゅう単語はどこにもない。
・解釈ってのは誰の解釈?その論拠が説明されてない。
少なくとも括弧でくくって、下院決議案にそう書いてあるかの如く報道
するのはジャーナリストの姿勢としては大いに問題ありです。
2)「強制徴用」の意味がわからない。coercion だと「強制」にしかなりません。
最近、「強制連行」という言葉にかえて「強制徴用」という言葉を使い
はじめてるのは、用語による一種のすり替えを行おうとしてるんでしょうか?
Stiffmuscle | URL | 2007/05/15/Tue 13:33 [EDIT]
Stiffmuscleさんへ
こちらこそ、いろいろ教えていただきありがとうございます。
>用語による一種のすり替えを行おうとしてるんでしょうか?
軍による強制連行はなかった
↓
軍による「組織的」強制徴用はなかった
ん~、この変節が、いつからなのかは詳しくはわかりませんが、まだ、こんなレベルで慰安婦の強制性を否定しようと策謀していることに、驚かされますね。
こちらこそ、いろいろ教えていただきありがとうございます。
>用語による一種のすり替えを行おうとしてるんでしょうか?
軍による強制連行はなかった
↓
軍による「組織的」強制徴用はなかった
ん~、この変節が、いつからなのかは詳しくはわかりませんが、まだ、こんなレベルで慰安婦の強制性を否定しようと策謀していることに、驚かされますね。
中曽根が手記で誇らしげに
自分が従軍慰安所を2000?箇所作ったと記している。
脱・ゴーマニズム宣言{上杉 聰}
そんなA級戦犯並の政治家と
本当のA級戦犯の祖父と同じ思想の安倍内閣が牛耳るこの日本
脱・ゴーマニズム宣言{上杉 聰}
そんなA級戦犯並の政治家と
本当のA級戦犯の祖父と同じ思想の安倍内閣が牛耳るこの日本
ほっと一息 | URL | 2007/06/07/Thu 16:57 [EDIT]
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右翼と左翼??? 新保守宣言(笑)
右翼=保守、左翼=革新このイメージって普通なのかなあ~?以前、私は「左翼、リベラル宣言!(笑)」という記事を書いた。左翼という定義も本当のところ私はよくわかってない><自分と同じような考えの人が「お前は左翼だ!」と言われていれば、ああ、私も左翼なのか?と [続きを読む]
私もひとこと言ってみる 2007/05/14/Mon 23:54
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